透明なこころでありたい

今もしも、何もかも無くしたとしたら

 今年は1月17日のことをすっかり忘れていた。
 当日の新聞を見て驚いたのだった。
 
 私が14年前に暮らしていた町は、人口密度の割合で最も多く死人が出て、全住宅のうち無傷だったのがわずか一軒だけという、被害の凄まじい地域だった。
 夜明け前、停電で街灯も消え、何が何だかわからず足元も見えない真っ暗な中、近所の人たちと固まりあって西側の空が真っ赤に染まり、消防車や救急車のサイレンが鳴り響くのを聞いていた。
 朝になって、明るくなってから母と周囲をぐるりと歩いてみた。
 昨日有った道が無かった。
 倒壊した家屋に埋め尽くされていたから。
 電柱が爪楊枝みたいに根元から折れて、あちこちに電線がだらりとぶらさがっていた。
 団地では、後から外付けされた風呂場が外れて、電線にひっかかった状態で宙ぶらりんになっていた。
 家は軒並みつぶれて、いつもなら見えない筈の遠くの大型スーパーの建物が見通せた。

 歩くうちに、あまりに現実離れした光景に、何だか笑いがこみあげてきた。
 「こんなことになってるよ、ドリフのコントみたいだよ」
 そう言いながら笑ううちに、笑い声がとまらなくなってしまった。
 涙が出るくらい大笑いした。

 「無くなっちゃったよ、何もかも消えちゃったよ、もう何にも無いよ」
 余震が続き、傾いて天井の低くなってしまった自宅には二度と足を踏み入れたくなかった。
 パジャマと、近所の人から借りた靴と上着。
 持ち物はたったそれだけ。
 まったく別世界のことだと思っていた、パレスチナ難民と全く変わらない。
 いきなり異次元空間に放り込まれると、笑うしかなくなる。
 正常な判断を脳が下せなくなるから。
  
 しかし、笑って現実逃避してる暇はあまり無かった。
 そこかしこで人は生き埋めになっていたし、友人達の家がどうなってるか尋ねて回ったり、とりあえず避難所に指定されている場所へ向かったり、することは山ほどあったからだ。

 中学校卒業以来、十数年ぶりに会った友人は十時間近く生き埋めになっていた上、「今日からお月さんになってしまって、めっちゃ困ってるねん」と言われ、あれだけ入りたくなかった自宅に入って、予備用に買っておいた生理用品をあるだけ渡した。
 ・・・現実離れした世界の中でも現実は続いて行くのです。

 
 私の場合、勤務先が震災特需に預かる土木関係だったから、その後生活に困窮することもなく、楽に普通の生活に戻ることができたけれど、家族も住まいも仕事も全て失った人たちはたくさんいて、今、復興住宅に暮らしているそういう人たちの孤独が問題になっているらしい。

 
 今もしも、あの時のように全てを失ったとしたら。
 相棒も、息子も、娘も。
 この世の何よりも愛している家族が一度にいなくなったとしたら。
 私に「ママだいすきー」と抱きついてくる息子が。
 私に「ママ、だっこー」と両手を伸ばしてくる娘が。
 あったかくてまだやわらかい二人の体が硬く冷たくなったとしたら。

 それでも私は現実を続けていくしかないのだろう。
 この世に存在する限り、現実から逃げることはできない。そういう場所は用意されていない。
 たとえ心を病んでも、宗教に頼るとしても。
 そして私の存在をこの世から消し去るか残しておくのか決めるのは、私ではないから。
 できるのは、そんなことにだけはならないように、祈ることだけだ。
 
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わずかながらの兄の貫禄

 娘ハナちゃん2歳5ヶ月。
 息子のぴよ蔵がそれ位の頃は、全く言葉が出なかった。
 娘生後2ヶ月、息子2歳4ヶ月頃の当時のブログによるとこんな感じである。

 (前略) 息子がベランダから外を見せろとうるさい。
 抱き上げて外を見せてやり、「はい、おしまい」と降ろしたら「ああー!(もっとみせろー!の意味)」と怒り出す。
 (中略)
 やっと落ち着いて二人を連れて散歩に行こうかと思ったら二人して爆睡。起きた時にはすでに時遅し。夕食の支度をせねばならない。だが、息子は「お散歩いこうね」と私が言った言葉を覚えていて、「ああー!(散歩連れて行け!の意味)」と怒る。
 その息子をなだめていると娘が「おぎゃー!(あたしを抱っこしなちゃい!の意味)」と叫び出す。おっぱいは足りてるのだが、抱っこして揺らしてやらないとへそを曲げるわがまま娘なのである!!
 息子に「もうすぐパパが帰ってくるから、そしたらお散歩連れてってもらえるよ」と言うなり玄関に走って行き、ドアが開くのを待っている。
 いや、もうすぐってまだあと30分は帰って来ないよ・・・しばらく立っていたが、相棒が帰ってこないので、「ああー!!(帰って来ないじゃないか、嘘つき!!の意味)」と怒り出す・・・。

 
 それがねぇ、ハナちゃんときたら、1歳半検診の時にはべらべらしゃべってました。
 最近は、食事前に部屋を片付けようとおもちゃを取り上げると、「ひどいじゃないの!ハナちゃんせっかく遊んでたのに!」と実に流暢な日本語づかい(汗)。
 兄ちゃんに向かっては、常に「ぴよ蔵、だめでしょ!さっさとお片付けしなさい!」と命令口調。
 父親が夕食後に転寝すれば、となりの部屋から「うんしょ、うんしょ」と兄ちゃんの毛布をひきずってきて、一生懸命広げてパパの巨体にかけてトントンし、「はい、パパ、これで寒くないでしょ、ハナちゃんふとん掛けたげたからね」と満足げ。 
 私が台所に立てば、「あたちもお手伝いします」と踏み台を持ってきて、横から何かと邪魔をする。
 すでにタオルはカンペキにたためるし、パジャマも独りで手助けなしで着ています。
 一度も教えたことないのに・・・。

 そう、兄ちゃんは完全に尻にしかれておるのです。
 おやつを食べていても、ハナちゃんが「ぴよ蔵(常に兄を呼び捨て:汗)、ハナちゃんにそれちょうだい」と言われると、素直に自分のお菓子を渡す兄。
 兄ちゃんが幸せそうに絵本を読みながら自分のファンタジー世界に入っていると、一緒に遊びたくて割り込んでは兄ちゃんの激怒を買い、叩かれて大泣き。
 兄ちゃんがレガシィのミニカーを捜していると、「あった、レガシィあったよ~」と嬉しそうに兄ちゃんがポイしてたポケモンミニカーを持って来て、こだわりアニキの激怒を買い、やっぱり叩かれて大泣き。
 そのたびに兄ちゃんは親から叱られて、大騒ぎ。
 コミュニケーション下手の兄ちゃんにとっては大迷惑の妹。

 さて、そんな風に兄妹力関係が逆転しているかのような二人なのですが。
 ハナちゃん、最近「おかあさんといっしょ」で流れていた「ありがとうお母さん」という歌が大のお気に入り。毎晩同じCDをかけて眠るのですが、この曲ばかり何度も何度も聞かせろとうるさくて、とうとう3回目に騒いだ時に、兄ちゃんが貫禄の一言。
 「もうやめとけ」
 兄ちゃんありがとう。ママも眠くてちょっとイライラしてたんだよ(笑)。
 そのまま騒ぐ娘ほっといて寝ましたとさ(笑)   

わたしはわたし(替え歌)

  何か知りませんが疲れなのか怠け根性のせいか、相変わらず午前中から午後にかけてツカイモノに全くならない私のカラダ。
 年明け早々大問題勃発で、過労死しても不思議じゃない相棒に申し訳なくて仕方ありません。

 マイナス志向では無いつもりで、キッチンタイマーや手抜き料理や時間をうまく管理する方法などを活用してさぼる時間を作り、上手に病気と折り合いをつけていこう、と考えてたんですが。
 現実問題、頭は働かない、カラダは動かない、ふと気づけば午後3時を回ってるという毎日で最低限チビ二匹の面倒を見つつ(これがまた吐いたり、もらしたり、脱いだり、壊したりとやりたい放題だし:涙)暮らしているのが精一杯であります。
 何でこんなことになったのか。私は怠けてるだけなのか。
 悔しいばっかりだけど、そんなこと考えても何の進展も無いので。
 ちょいと自虐の歌を作ってしまいました。


 では、昔なつかし研ナオコの「かもめはかもめ」のメロディで。

 ♪あきらめました~わたしのことは~♪もぉスケジュールも組まない♪
 ♪テキパキできる人がいてもうらやむだけ哀しい♪
 ♪わたしはわたし賢い主婦やましてやスーパーレディーにゃなれない♪
 ♪わたしの望む理想は高すぎて最初から無理無理♪
 ♪大空を渡るような見果てぬ夢はあるけれど♪
 ♪わたしはわたし這いずりながら生きるのがお似合い♪
 

 いやほんと。無理はでけん。でけません。
 チビたちごめんねごめんね。母ちゃんもうすこしマシになったら、夏休みみたいなキラキラした毎日にしような、ほんまに。もおちょい、待っとってな。

ほんまもんの寝正月

 みなさま、あけましておめでとうございます。
 大晦日から4日まで、相棒実家で過ごしておりました。
 そして料理も手伝わず、子供の世話もせず、ひたすら寝てました。
 いえ、寝るつもりはなかったのに、気づくと倒れてました。
 洗濯物を干し終えたら、松田勇作20回忌特集の番組をやってたから、テレビに一所懸命見入っていたら、気づくと3時半を過ぎてました。死んでるのかと思ったらしい相棒に起こされたのだけど、そうでなかったらそのまま夜まで寝てたかも(汗)。
 自分では干し終えたばかりの洗濯物をもう取り込まなきゃ、というなんだか納得の行かない事態でしたが、相棒実家にすれば迷惑以外の何者でもないよなー(反省)。

 というわけで、年賀状も今からせこせこ書いておる次第であります(恥)。
 読もうと思ってた本、書き込もうと思っていた体調ノート、全て手付かず。
 なのに疲れと眠気はとれないわ~。あああ~。ねむ。
 今年こそは明るくいいことがたくさんありますように~って、初詣にも行かずに願うのはあつかましいか、さすがに(苦笑)。
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なかさん☆

Author:なかさん☆
鬱病回復途中。更年期障害。
長男自閉症。長女甘えんぼ。
家族総デブ。色々とやばい。



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