お初の吉田修一作品 『悪人』
『悪人』 著者 吉田修一
読了後、決めた。
私がもしも、どこかで光代に会うことがあったら殴る。絶対殴る。おぼえとけ(爆)。
読書魔人ぷぅさんお薦めの一冊ということで、吉田修一初体験です。
昨年末に購入していたものの、分厚さと内容の評判で「これは読むのに時間と集中力を要しそう」と思い、なかなか手を出せずにいたんですが。
たまたま、息子が昼寝したくてぐずった時、添い寝しながら手にとって見たら、読む易い文章であっという間に物語世界に入り込んでしまいました。
予想と違ってすいすい読めてしまって、気がつけばラストでした。
ノンフィクションを読んでいるかのようにリアルな物語でした。
登場人物は、誰も彼も小説中の人物らしからぬ存在感で、彼らの心境のひとつひとつが思い当たることばかりで、なんともいいようがなく切なく、やりきれなかった。
口下手で他人との交流が上手でない青年がOLを殺した。
殺されたOLの同僚たち、両親、彼女が援助交際で関わった男たちの彼女への回想は、一面的ではなく、彼女の安易な上昇志向、友人への虚栄心、地に足がついていないくせに腰が引けている小心さ、反面家族や他人への細やかな気遣いや優しさ、といった複雑で奥深い人間の心理を描いている。
これが現実の事件で、ワイドショーがとりあげたのだったら、彼女はただ単にお金ほしさで援助交際を繰り返し、結果出会い系サイトで知り合った男に殺された、自業自得な蓮っ葉女、とレッテルをはられてしまうだろう。
彼女の繊細な優しさの部分、自分の弱さや不安を隠すため、他者に責任転嫁して攻撃するという脆さは、彼女と接したことのある者にしか伝わらない。
それは他の登場人物も同様で、被害者のOLが殺されてしまう要因を作ってしまった、お金持ちでイケメンで悪ぶったボンボンも、愚かで傲岸不遜なんだけど、彼が被害者に感じてしまう苛立ちにもうなずけてしまう。
全然本筋に影響しない、病院での小児麻痺の子どもと子どもをあやす祖母の描写なんて秀逸。
すごいなあ、これだけ淡々とした文章で、人間の業や強さや弱さや、複雑さ、全てを描ききってしまえる筆力に脱帽です!
内容をものすごく乱暴にまとめてしまうと、ごくごく純粋で、感情表現が下手な青年が、想像力に欠ける男一人と人生への覚悟に欠ける女四人に人生を台無しにされてしまうという物語。
それがもう、誰の気持ちにもうなずける部分があり、なんというかもうやりきれないのでした。
すごいなあ、小説読んでここまでのめりこんだのは『八日目の蝉』以来でしたよ。
主人公が自分の息子に何となく重なるような気までしてきて(4歳児なのに気が早いよ)。
で、そのやりきれなさが怒りに変わり、結局最後の最後まで犯人を追い詰めてしまった光代に対して一番怒りがこみあげてきたのでした。
だって、女四人のうち、一人はもう死んでるし、もう一人は被害者面して息子のことなんにもわかってない、見込みない母親だし、さらにもう一人は病気して人生の夢に敗れたかわいそうな人だし・・・。
殴ってもよさそうなの、光代しかおらへんやん!
だから、絶対殴ったるからな!覚悟しとれー。
今年読んだすごい本候補、ナンバーワンですね(目下)。
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読了後、決めた。
私がもしも、どこかで光代に会うことがあったら殴る。絶対殴る。おぼえとけ(爆)。
読書魔人ぷぅさんお薦めの一冊ということで、吉田修一初体験です。
昨年末に購入していたものの、分厚さと内容の評判で「これは読むのに時間と集中力を要しそう」と思い、なかなか手を出せずにいたんですが。
たまたま、息子が昼寝したくてぐずった時、添い寝しながら手にとって見たら、読む易い文章であっという間に物語世界に入り込んでしまいました。
予想と違ってすいすい読めてしまって、気がつけばラストでした。
ノンフィクションを読んでいるかのようにリアルな物語でした。
登場人物は、誰も彼も小説中の人物らしからぬ存在感で、彼らの心境のひとつひとつが思い当たることばかりで、なんともいいようがなく切なく、やりきれなかった。
口下手で他人との交流が上手でない青年がOLを殺した。
殺されたOLの同僚たち、両親、彼女が援助交際で関わった男たちの彼女への回想は、一面的ではなく、彼女の安易な上昇志向、友人への虚栄心、地に足がついていないくせに腰が引けている小心さ、反面家族や他人への細やかな気遣いや優しさ、といった複雑で奥深い人間の心理を描いている。
これが現実の事件で、ワイドショーがとりあげたのだったら、彼女はただ単にお金ほしさで援助交際を繰り返し、結果出会い系サイトで知り合った男に殺された、自業自得な蓮っ葉女、とレッテルをはられてしまうだろう。
彼女の繊細な優しさの部分、自分の弱さや不安を隠すため、他者に責任転嫁して攻撃するという脆さは、彼女と接したことのある者にしか伝わらない。
それは他の登場人物も同様で、被害者のOLが殺されてしまう要因を作ってしまった、お金持ちでイケメンで悪ぶったボンボンも、愚かで傲岸不遜なんだけど、彼が被害者に感じてしまう苛立ちにもうなずけてしまう。
全然本筋に影響しない、病院での小児麻痺の子どもと子どもをあやす祖母の描写なんて秀逸。
すごいなあ、これだけ淡々とした文章で、人間の業や強さや弱さや、複雑さ、全てを描ききってしまえる筆力に脱帽です!
内容をものすごく乱暴にまとめてしまうと、ごくごく純粋で、感情表現が下手な青年が、想像力に欠ける男一人と人生への覚悟に欠ける女四人に人生を台無しにされてしまうという物語。
それがもう、誰の気持ちにもうなずける部分があり、なんというかもうやりきれないのでした。
すごいなあ、小説読んでここまでのめりこんだのは『八日目の蝉』以来でしたよ。
主人公が自分の息子に何となく重なるような気までしてきて(4歳児なのに気が早いよ)。
で、そのやりきれなさが怒りに変わり、結局最後の最後まで犯人を追い詰めてしまった光代に対して一番怒りがこみあげてきたのでした。
だって、女四人のうち、一人はもう死んでるし、もう一人は被害者面して息子のことなんにもわかってない、見込みない母親だし、さらにもう一人は病気して人生の夢に敗れたかわいそうな人だし・・・。
殴ってもよさそうなの、光代しかおらへんやん!
だから、絶対殴ったるからな!覚悟しとれー。
今年読んだすごい本候補、ナンバーワンですね(目下)。
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読んでみます。そこまで言われちゃ、読まんわけにはいきまへんがなぁ。ちょっと待ってて…。
では、後ほど!
では、後ほど!
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今までの吉田作品の中でピカイチだと思います。
わたしは光代のことは許せるかな。
結果的にドツボにハメたわけだけど、悪気はないというか一応、愛があったからねぇ。
やっぱり一番許せないのはアイツよっ!!
もういない人だけど、やっぱり許せんわ。
吉田さん、ちょっと前まで週刊新潮でよく似た路線の『さよなら渓谷』って連載してたんだけど、まぁまぁ面白かったけど残念ながら『悪人』とはかなり差があるなぁって感じでしたわ。